スケッチ使用時のエラーでお困りですか?
FreeCADは英語の情報が多いので、問題解決も一苦労だと思います。
できるだけ簡単に解決したい方へ、
この記事では、スケッチ使用時のエラーに効果的な解決策を、エラーの意味や原因を交えてご紹介します。
解決へのメニュー
今回の記事では、スケッチを使った押し出し・ポケットなど、
Part Designワークベンチでのスケッチ使用時によくあるエラー、
- Failed to validate broken face
- Pad: Creating a face from sketch failed
に対して、
- 適切な拘束による図形の閉塞
を図ることで、エラーの解決を目指します。
なお、上記の2つのエラーはほぼ同じ内容ですので、以降では、
合わせて「Failed to validate broken face」と表記します。
Failed to validate broken faceとは?


まず、この「Failed to validate broken face」エラーの意味を簡単にご説明します。
このエラーは、「作成しようとした面が壊れている」ということを表しています。
つまり、「そのスケッチでは面を作れない」ということです。
では、なぜ面が作れないのでしょうか?
Failed to validate broken faceの原因
具体的にスケッチの何が問題で、面が作れないのでしょうか?
これには、FreeCADの「拘束」が関係しています。
Sketcher ワークベンチで描いた図形に適用する「ルール」のこと。
拘束は、図形要素の位置を「水平」「垂直」「他点との一致」など、様々な方法で制限できる。
ここで話を戻しますと、
「面が作れないスケッチ」の具体的な問題点は、「スケッチの図形が閉じていない」ことです。
例えば、四角形は4本の直線の端点が、それぞれ別の直線の端点とくっつくことで、
閉じた図形として成り立っています。

一般的に、直線の端点同士が重なっているように見えれば、
それを「閉じた図形」として認識することはできますが、
FreeCADでは、
「点が重なっている」=「点がくっついている」
とは認識されません。
「くっついている状態」は拘束によって、明示的にしなければならないのです。
こういった理由から、FreeCADがそのスケッチを「閉じた図形」として認識する上で、
適切な拘束は重要であり、このエラーとも深く関わっています。
スケッチの図形を閉じる手順
実際に閉じていない図形のスケッチを、閉じた図形のスケッチにしてみましょう。
これには「ツールで閉じる」方法と、「手作業で確認して閉じる」方法の2択があります。
もし、スケッチの図形要素が、
- 円弧のみ
- 直線のみ
である場合は、「ツールで閉じる」方法をおすすめします。
そうでない場合は、「手作業で確認して閉じる」方法がおすすめです。
手作業といっても、色を見分けるだけですので、ご安心ください。
ツールで閉じる
閉じたい図形のあるスケッチを開きます。

コンボビューのタスクタブにある、「Constraints」リストから「一致拘束」に該当する、全ての項目を選択して削除します。

SHIFTキーを押しながら最初と最後の項目を選択することで、全選択が可能です。
また、「要素」リストより、スケッチのすべての要素を選択します。

要素の選択はそのままに、「要素」リストの項目のいずれかを右クリックして、「Close Shape」をクリックします。

特にエラーが発生しなければ完了です。再度エラーの起こった操作を試してみましょう。
もし、過剰な拘束により、要素の色が赤色になってしまった場合、
Ctrl+Zで「Constraints」リストの項目が元に戻るまで操作を戻し、
下の「手作業で確認して閉じる」の手順をご覧ください。
手作業で確認して閉じる
閉じたい図形のあるスケッチを開きます。

コンボビューのタスクタブにある、「Constraints」リストから「一致拘束」である全ての項目を選択します。
SHIFTキーを押しながら、最初と最後の項目を選択することで、全選択が可能です。

選択はそのままに、3Dビューを確認します。

ここで、緑色ではなく、赤色で表示されている頂点がないかを確認します。
赤色の頂点があった場合、その頂点を構成する端点同士がくっついていないことが考えられます。
つまり、その頂点が原因で、閉じた図形になっていない可能性があります。
この場合は一旦、先ほどの選択を解除した後、
赤色だった頂点をドラッグして囲み、ツールバーより「一致拘束」をクリックしましょう。

再度、「Constraints」リストから「一致拘束」である全ての項目を選択し、全ての頂点が緑色でハイライトされましたら、
スケッチは閉じた図形になっていると考えていただいて、問題ありません。

以上の手順が完了できましたら、再度エラーの起こった操作を試してみましょう。
まとめ
この記事では、Part Designワークベンチのツールでのスケッチ使用時によくあるエラー、
- Failed to validate broken face
- Pad: Creating a face from sketch failed
の解決を目的に、
- スケッチの適切な拘束
の具体的な手順を、エラーの意味や原因の解説を交えてご紹介しました。
特に、スケッチでの図形描画にあたっての「適切な拘束」は、
不具合のないスケッチの作成だけでなく、作業の効率化にとっても重要なポイントですので、
頭に留めておいていただくと、きっとお役に立つと思います。
以上、最後までお読みくださり、ありがとうございました。
ご質問・ご指摘などがございましたら、お気軽にコメント欄までお寄せくださいませ。
引用
この記事内で使用したアイコンは、以下のFreeCAD公式ドキュメント内のものを使用しています。
https://www.freecadweb.org/wiki/index.php?title=Artwork (外部ページ)
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